
前編の終点では、損傷した内膜を撤去し、底膜、アンカー溝、押え部材、各取合い部を露出しました。後編の目的は単に新膜を戻すことではなく、連続し、検査でき、記録可能なシール・荷重伝達系を再構築することです。
内膜交換の前編を読む施工・受入チェーン
- 01底面受入
- 02下側シール
- 03内膜配置
- 04上側シール
- 05外膜復旧
- 06計装配線
- 07段階膨張
- 08漏れ検査
安全・適用範囲
本記事は工程・品質管理の説明であり、案件別施工要領、作業許可、ガス測定、エネルギー隔離、揚重計画、現地法令の代替ではありません。EPA AgSTAR は点検・保全・記録・安全をバイオガス運転の重要要素とし、OSHA 1910.147 は保全前の危険エネルギー隔離と検証を求めています。現場では承認図書と現地要求を優先します。
1. 底部受入と第1層の連続シール材
新膜搬入前に、底膜、基礎端部、アンカー溝、フランジ面、スタッドをホールドポイントとして確認します。硬い残渣と滞留水を除去し、膜を傷つける鋭利部を処理し、再使用する押え部材の平坦性と連続性を確認します。底部取合いの受入後に第1層の連続シール材を敷設します。
シール材は単なる隙間埋め材ではなく、圧縮シール系の一部です。角部、重ね部、穴位置、接続部の連続性を記録し、材質、断面、重ね方法、目標圧縮量は承認図書と供給者資料に従います。

2. 新内膜の揚重・方向確認・管理展開
揚重前に内膜中心、取合い方向、据付基準、吊りベルトを確認します。吊点は展開経路を管理するためのもので、付属品、溶着部、周縁フランジの一点に全荷重を負担させません。基礎上へ移動後はゆっくり降下し、手元誘導で手すり、スタッド、鋭利な鋼材との接触を避けます。


展開時は中心と主要取合い方向を先に設定し、折畳みを区画ごとに解放します。作業者は歩行可能範囲を使用し、柔軟な牽引点で膜を移動し、靴底、工具、引張荷重を溶着部や付属品根元へ集中させません。


3. 周縁位置合わせ・第2層シール・段階締付け
内膜周縁補強部を下側シール材上へ配置した後、基準点で方向と穴位置を確認し、対称区画ごとに進めます。写真のマーキングと穴位置確認は実際の幾何関係を確認する工程であり、穴が見えた順に本締めする作業ではありません。偏差が蓄積する場合は中心と展開状態へ戻って調整します。


内膜固定のホールドポイント合格後、その上に第2層の連続シール材を敷設し、既設外膜を復旧します。これにより「支持面-下側シール-新内膜-上側シール-再使用外膜-押え部材」という説明可能な積層を形成します。最終構成は案件承認図書を優先します。




4. 既設外膜の復旧:元の方向へ戻す
前編で保護揚重した既設外膜は、新内膜と上側シール材の検査合格後に戻します。元の方向表示、付属品方向、吊点を確認し、降下時は地上誘導で折れを管理して、手すり、鋭利部、新内膜との擦れを防ぎます。




5. 貫通部・レベル信号・配線の復旧
膜層締付け後、撤去記録に従ってレベル計、圧力取出し、風管、ケーブルを復旧します。配線は単なる再接続ではなく、端子、極性・信号定義、ストレインリリーフ、シールグランド、フランジ締結、防水経路を確認し、ループチェックを行います。

6. 段階膨張:形状・接触・信号を同時確認
初回膨張はいつでも停止できる管理工程とします。まず支持空気を供給して外膜をゆっくり所定形状へ移行させ、円周締付け線、風管、付属品、膜面しわを巡視します。異常摩擦、局部張力、付属品移動、不合理な圧力・レベル信号があれば停止して原因を確認します。


7. 発泡液漏れ検査・機能試験・最終受入
膜形状が安定した後、接近可能なフランジ、貫通部、圧力取出し口、その他承認済み検査点へ膜材適合の発泡検査液を塗布します。気泡が継続成長する場合は漏れの可能性として表示、減圧、補修、再検査を行い、「音がしない」ことだけで漏れなしとは判断しません。
続いて支持ブロワ切替、圧力・レベル信号、警報、インターロックを確認し、案件所定状態で形状と運転傾向を記録します。試験媒体、圧力、安定時間、合格基準は案件承認手順に従い、本記事は一般値を提示しません。


よくある6つの誤り
- 硬い異物、滞留水、鋭利部を残したまま新膜を覆う。
- シール材が角部で途切れる、重ね部が管理されない、ボルト穴で切断される。
- 一点から穴位置を無理に合わせ、円周しわと偏心を生じさせる。
- 一部のボルトだけを先に本締めし、対称・段階締付けを行わない。
- 外膜を鋭利部に引きずる、または吊具で膜材を直接圧迫する。
- 最終形状だけを見て、信号、警報、インターロック、漏れ記録を確認しない。
最終受入記録
- 上下のシール材が連続し、適合性と圧縮経路が明確
- 内膜の方向、中心、円周穴位置を記録
- 押え板、ボルト、締付け順序を承認図書どおりに完了
- 内膜溶着部、フランジ端部、貫通部の目視検査を完了
- 再使用外膜に新たな擦傷、折れ、硬接触がない
- ブロワ、圧力、レベル、警報、インターロックを確認
- 段階膨張中の形状が安定し、異常摩擦がない
- 接近可能な取合い部の発泡液検査を記録
専門的な引渡しの要点は「膨らんだ」ことではなく、次の層で覆われる各取合い部を検査・記録・承認し、最終形状、漏れ結果、制御信号が相互に整合することです。
よくある質問
内膜フランジの上下にシール材を設ける理由は?
下側と上側の連続シール材により、支持面、内膜フランジ、再使用する外膜の間に管理可能な圧縮シール面を形成します。材質、断面、圧縮量は承認図書に従います。
ボルト穴が合わない場合、一点から強く引いて合わせてもよいですか?
できません。中心と方向を確認し、円周上を対称かつ段階的に合わせます。一点に無理な力を加えると、膜面、溶着部、貫通部にしわと付加応力が移ります。
内膜固定後、すぐに既設外膜を戻せますか?
内膜本体、溶着部、フランジ端部、シール材、貫通部、締付け順序のホールドポイント検査に合格してから復旧します。
膨張中に確認する項目は?
段階膨張中に膜形状、しわの移動、周辺鋼材との接触、ブロワ応答、圧力・レベル信号、警報、インターロックを確認します。
発泡液による漏れ検査はどのように判定しますか?
所定の試験状態で、材料に適合する承認済み検査液を確認箇所に塗布します。気泡が継続して成長する場合は漏れの可能性として補修・再検査します。
最終形状が正常なら交換完了ですか?
形状だけでは完了ではありません。シール、締結、計装、警報・インターロック、漏れ、運転状態の記録を承認手順に従って確認します。
内膜交換・気密受入相談
覆われる各取合い部を、検証可能な記録へ。
形式、寸法、ガス組成、損傷写真、停止可能期間、制御資料をご提示ください。内膜交換、シール確認、復旧膨張、受入範囲を検討します。